春分
2022年3月21日は春分の日。二十四節気の春分は昼と夜が同じ長さの日です。この日から少しずつ昼が長くなり、東洋医学の陰陽論では陽勢(陽の勢いが盛んになること)になる時期です。
この頃の特徴として、風邪(ふうじゃ)に犯されやすくなります。風は上に向かう性質があるため、上半身や体表の症状として現れます。例えば痒みや湿疹、のどの痛み、咳、鼻水、発熱、頭痛、眩暈などの症状が出やすくなります。悩ましい花粉症も風邪によるものと考えられています。
また、五行論では春の季節は肝に属します。肝気は草木が芽吹くように外向きに伸びやかに広がる性質があります。春になると何か新しく始めたくなったり、閉じこもりがちだった冬とは違い、外に出掛けたくなるのもこのためです。
しかし、ストレスなどで肝気の伸びやかさが失われてしまうと、イライラや不眠、眩暈、ゲップやガス、食欲不振、筋肉の痙攣、判断力が鈍るなど様々な症状となって現れてきます。社会生活上でも新生活の始まりや環境の変化で大きなストレスを受けやすい春、肝気が滞る条件が沢山あります。そんな時は、先ずはゆったりとした気持ちを取り戻すことがとても大切。温かい春の日差しをあびて散歩や軽い運動をして発散してみましょう。
そして肝の働きを高める食材は、キャベツ、カボチャ、米、ジャガイモ、長芋、鯛、鱈、鰆、鶏肉、羊肉など(補気 生命エネルギーを高める)、紫蘇、玉葱、、蕎麦、大根、ゴボウ、柑橘類など(理気 気の巡りをよくする)、イカ、タコ、鰹、鰤、人参、黒ゴマなど(肝の働きを補う)があります。春キャベツや新玉葱、鰆や初鰹…美味しい季節の食材を摂ることは東洋医学的にも理にかなっていますね。
ちなみに春分の日から前後3日を含めた7日間は春のお彼岸です。
「彼岸」とは、春分の日、秋分の日を中日とした7日間、お墓参りなどをしてご先祖様を敬う期間とされています。
仏教では、古来より西に極楽浄土があるとされています。太陽が真東から昇り真西に沈む春分・秋分は西方の極楽浄土と現世が元雄も近づく日と言われます。そのためご先祖様や故人が極楽浄土で過ごして欲しいと言う願いを込めて供養に適した期間とされいるようです。また同時に、この時期に西に向かって拝むと、功徳を積むことが出来ると信じられているそうです。
また、春分の日が祝日なのは、「自然をたたえ生物を慈しむ」という目的があり、秋分の日が祝日なのは「先祖を敬い故人を偲ぶ」ためだと言われています。
もうすぐお彼岸と春分の日、だいぶ暖かくなってきました。日頃お忙しい日々をお送りの方も、少しお散歩をしてゆったりとした気分を取り戻し、春の美味しい食材で身体を癒やし、ほんの少しご先祖様を思い出してみるのはいかがでしょうか?
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